雨が降ってぐんと寒さが増して、
厳しい冬に突入しましたね。
冬を越せば、また暖かな春が待っているから、
この寒さも我慢できるのかもしれません。
日本には四季があり、それは宝物だと思います。
四季があることで情緒豊かな感性が育まれます。
例えば、海外でも高く評価されている美意識の高さや、
細部までこだわるところなど、
日本人の気質はこの気候風土から生まれたものでしょう。
四季の移ろいは、心の機微に触れます。
寒い冬が長く続いている頃、
真っ先につける梅の花の蕾を見て、
春がそこまで来ているんだと感じる心や、
暑い夏を過ごしながら、急に入道雲がなくなり、
空が高くなってうろこ雲を見つけたとき、もう夏も終わりだなぁと、
秋の気配を感じる心など、
季節があるからこそ感じられものであり、
豊かな心はこうして育っていくものです。
ただ、ここ数年ものすごい勢いで普及してきた家は、
快適性、利便性を追求してきた結果、
気密性、断熱性を重視して、
すきま風もない、暑さ寒さもシャットアウトしてしまうものでした。
豊かな四季がありながらも、
家の中はいつでも同じ温度で快適な空間を作り上げます。
今暑いのか、寒いのか、風が吹いているのか、
雨が降っているかもわからないような空間です。
窓を開けて風を通してあげた方がずっと心地よいのに、
気づかずに冷房をかける。
日だまりの暖かさで十分心地よいのに暖房をつける。
こんな風に、人工的で、
まるで温室のような環境の中で育てられた子どもは一体どんな大人になるのでしょう。
例えば、ふっと吹き抜ける風が冷たくなって季節の移り変わりを感じたり、
夜に外から聞こえてくる虫の音を聞いて、秋の訪れを感じたり…。
こんな快適すぎてしまう家だとそういう暮らしの中の些細な変化を見過ごしてしまいます。
夏の暑さも、冬の寒さも、
日本人が心身ともに健やかに暮らしていく上では大切なことなのです。
人の体は、もともとその時々の環境に適応する能力が備わっています。
暑い環境でも寒い環境でも体温を一定に保つための仕組みが備わっているからです。
暑い環境でも数日過ごすうちに自律神経の働きがよくなり、
汗を上手にかけるようになったり、体温調節ができるようになっていきます。
普段から、暑さや寒さに慣れていれば、
体が暑さに慣れ、
普段から運動をしていて適度に汗をかく習慣がある人は、
熱中症になりにくいというデータもあります。
自然を感じることは、心身にとても大きな影響を与えてくれます。
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